半導体検査装置の代表銘柄アドバンテスト

2019年9月9日

アドバンテストは日本を代表する半導体検査装置のメーカーで特にDRAMの検査装置では世界シェアトップです。東京エレクトロンと並び半導体の景気指標と言われています。

この記事ではアドバンテストの持つ技術と今後の成長について調べてみました。

2019年の半導体需要

2019年5月から元号は令和になりましたが国内の半導体需要は下降に向かっています。しかし2019年初頭からの需要の伸びに引っ張られ、アドバンテストの今季の決算は過去最高益になる見通しです。

半導体のスーパーサイクル

半導体は2017年頃からスーパーサイクルに入っていると言われています。スパーサイクルとは株式市況の波をあらわしたエリオットの波動理論に登場する言葉です。

エリオットの波動理論では景気の波は1年から数年におよぶ上下を繰り返すものとされていますが、スーパーサイクルの場合、この波動が40ー70年を周期に繰り返すとされています。

いま半導体の景気のはこのスーパーサイクルに入っていると言われています。もちろん下降ではなく上昇の波にはいっています。

半導体の市況を示すSOX指数

半導体の市況をあらわす指標にフィラデルフィア半導体指数、通称SOX指数というものがあります。下のグラフは1995年からのSOX指数です。

SOX指数(1995−2019)

2000年あたりに山がありますが、これはITバブルのときの半導体需要です。ここ10年のSOX指数の変動を見ると緩やかにITバブルのピークを超えており、半導体市況がスーパーサイクルへ移行していると言われる理由もわかります。

半導体の種類

半導体というとたくさんの種類が挙げられますが、今の半導体市場の中で1番大きな産業になっているのはIC(集積回路)です。ICは大きく分けてメモリーIC、アナログIC、ロジックICの3つに分けられます。

1番イメージしやすいのがメモリーICでしょう。皆さんUSBフラッシュメモリーを持っていると思いますが、あの中には512MBとか16GBとかメモリーICが搭載されています。現在はインターネット回線の発達で一度に大量のデータをやり取りすることができるようになり、データストレージとしてのメモリICは必須となっています。

次のアナログICはセンサーを想像してください。例えば電話の音声をデジタルデータに変化するICや、カメラに内蔵されているイメージセンサーなどがアナログICです。

そして最後にロジックICですが、ロジックICの代表はCPUです。最近はCPUだけでなくコンピュータに必要な多くの機能を1つのICに詰め込んだSoC(System On Chip)がロジックICの主流になっています。

日本はかつて半導体生産大国でした。しかし大半のICのは汎用可が進み、生産コストの安い外国へ移ってしまいました。今は国産ICの中心は性能に差の出やすいアナログICです。

日本の半導体生産は減少してしまいましたが、半導体生産装置のシェアでは世界トップクラスの座を守っています。その中の代表企業がアドバンテストです。アドバンテストはSoCテスタで市場シェアの52%、メモリテスタで市場シェアの58%を占めています。

アドバンテストの技術

半導体の製造工程には1番最後に半導体製品の検査が不可欠です。この工程には半導体検査装置という装置を使います。半導体の需要が増え、半導体製造への設備投資が増えるとこの半導体製造装置の受注も大きくなります。

アドバンテストは半導体検査装置、中でもメモリーの検査装置のシェアは世界トップです。メモリーはコンピュータの高速化の要求により日々動作スピードが上がっています。検査装置もこのスピードに追従した性能が要求されます。

アドバンテストのメモリー検査装置はこの要求に追いつくために常にアップデートを繰り返し、近年ではメモリー検査装置のでファクトスタンダードになりました。

ですので、半導体全体の需要によってアドバンテストの業績が左右されると同時にアドバンテストの業績を見ることで近い将来の半導体全体の出荷予測をすることができます。

半導体検査技術を転用した医療用測定器

アドバンテストは大学との研究開発を進めており、2018年に東北大学と共同で医療用の測定機器の開発を発表しています。

従来から人間の毛細血管を画像化することで、皮膚の老化のメカニズム解明に応用できることが分かっていましたが、皮膚直下の毛細血管は血液とメラニンの区別が難しく、正確な毛細血管の描写ができないことが問題になっていました。

アドバンテストは通常の光分析の手法と超音波分析の手法を組み合わせ、両方のデータから選択的に毛細血管の画像のみを描画する方法を開発しています。

まとめ 

今後、半導体の需要はスマートフォンなどのデータ処理用の部品に加え、電気自動車の自動走行用ICなどの需要も予想されます。

アドバンテストはメモリなどのデータ処理用部品の検査装置に強みを持っていますが、今後は共同研究によって得た測定技術などを活用し、新分野ICの製造装置にも注力していってほしいです。

アドバンテストの成長はこれらの新しい半導体需要へのキャッチアップにかかっていそうです。