【2021年度】Visual Studioの無償ライセンスについて

2021年4月16日

このブログではプログラミング+計器制御で自動計測を行う方法を紹介しています。この組み合わせではWindowsとC#とGPIB制御が一番良いと思っています。Windowsのプログラミングには私はVisual Studio C#を勧めています。同じMicrosoft製品でWindowsとの連携も良いので2021年現在ではベストな選択肢です。

最近、Visual Studioに代わる可能性があるものとしてVisual Studio Code(以下VSCode)が出てきました。VSCodeはエディターですが、拡張機能でコンパイラをインストールできるので主にソフト開発で使われています。

その代わりか分かりませんが、Visual Studio Expressが開発を中止しています。Visual Studio ExpressはVisual Studioの機能制限無料版ですが、使用制限が緩いので私はずっとこれを使っていましたが残念です。

Expressが開発中止になってしまったのを機に、Visual Studioのライセンスについて調べたので、この記事にまとめておきたいと思います。

Visual Studioのライセンス

この記事を書いているのは2021年春で最新のVisual Studioは2019ですが、現在Visual Studioのライセンスは次の種類があります。

  • パッケージ版(買取版)
  • サブスクリプション版
  • 無償版

Visual Studioのライセンスは人単位で管理されます。使用者が同じであればインストールするPCは何台でも大丈夫です。逆に複数人で使用する場合は人数分のライセンスが必要になります。

それぞれの機能や制限を見ていきます。

パッケージ版

昔はみんなパッケージ版でした。現在はVisual Studio Professional単体版だけの販売になります。価格はだいたい6万円台。結構安いです。

安い値段には理由があるものですが、パッケージ版ではやはりできないことが多そうです。購入したバージョン以外は使えないしアップデートもできません。

機能制限があるようですが、実物が手元にないのでどんな制限なのかはちょっとよく分りません。後々購入してみようと思っていますので、詳細が分かったらこのブログで紹介ます。

サブスクリプション版

Visual Studioの主力は完全にサブスクリプション版に移行しました。サブスクリプション版は全てビジネス用途と考えて良いです。ソフトウェア開発が業務の中心ならサブスクリプション版を買わないとダメです。

申し訳ないですが、ビジネス用途のサブスクリプション版を調べている方は直接マイクロソフトに問い合わせてください。この記事ではサブスクリプション版でないライセンスについては解説します。

無償版

Visual Studioは大きなコストをかけて作られたソフトですが、いくつかの無償版が存在します。コストがかかっているにもかかわらずMicrosoftがVisual Studioの無償版に力を入れるのはVisual Studioの隆盛がWindowsの販売に貢献するからでしょう。

取れるところからは料金を取るが、無料であってもできるだけ広く使ってもらいたいという思惑があり、無償版のライセンスは使用条件が細かく注意が必要です。

最新の無償版は「Community」

現在Visual Studioは2019が最新ですが、2019の無償版はVisual Studio Communityと呼ばれます。Communityは機能を見るとVisual Studio Professionalと同等です。Professional 同等品がタダとは驚きです!

Communityは主に非商用のライセンスなんですが、次の条件を満たせば商用でも使うことができます。

  • 個人で使用
  • エンタープライズでない組織のメンバーが5人以下で使用

エンタープライズとは

マイクロソフトの定義ではエンタープライズとは、「合計で (a) 250 台を超える PC がある、もしくは 250 人を超えるユーザーがいる、または (b) 年間収益が 100 万米ドル (もしくは他の通貨での相当額) を超える、組織およびその関連会社」のことです。

私の組織も(a)(b)をクリアできそうだったんですが、「関連会社」も含まれてしまうのでマイクロソフトの解釈次第ではエンタープライズになりそうです。このような理由でCommunityの使用は断念しました。

一世代前の無償版は「Express」

Visual Studio 2017まではExpressと呼ばれる無償版がありました。MicrosoftはExpressの開発は2017バージョンが最後と明言しており、最新の2019では提供されなくなりましたが、まだダウンロード、インストールすることができます。

Expressは次のリンクからダウンロードできます。

「最新のCommunity版が出てるのに、それでもExpressをダウンロードするの?」と聞かれますが、無視します。

Expressは機能制限が掛けられており、Professionalでできる一部のアプリケーションとライブラリの開発ができません。その代わり使用制限は無く商用のソフトウェア開発でも使用できます。

Expressはソフトウェア開発に本当に使えるか?

「本当に使えるのか」は2つの意味を持たせています。1つはExpressの機能がソフトウェア開発に対して十分か。もう1つはライセンスが商用ソフトウェア開発に使用できるかです。

Expressの機能

Expressは機能制限があり一部のアプリケーションの開発ができません。また、Microsoftのサポートが受けられないことや、すでに開発が終了してしまっていることなど有料版に比べたらいろいろ心配なことがあります。

しかし、このブログで紹介しているような計測器制御の用途であれば不足を感じません。むしろフリーのソフトウェア開発環境の中ではトップクラスの機能だと思います。

Expressの開発が終了してしまったことはとても残念ですが、まだ4,5年は使えるだろうと思っています。

Expressのライセンス

いろいろなサイトにはExpressで商用ソフトウェアを作って良いと書かれているんですが、Microsoftが明確に許可を出している文書は見つかりませんでした。ただし明確にダメと言っている文書も見つかりませんでした。

唯一、ライセンスについてはVisual Studioのホワイトペーパーに書かれていました。ホワイトペーパーの中には「Visual Studio Express は、運用目的のアプリケーションの構築に使用できます」と書かれています。

この書き方だとExpressが販売目的のアプリケーションの構築に使えるかどうかは分かりませんが、社内の電気計測器で自動計測を行うためにアプリケーションを構築することは問題なさそうです。

そういった理由で私は今でもVisual Studio Express 2017を使っています。

まとめ

この記事ではVisual Studioの無償版ライセンスについて説明をしました。Visual Studioの無償版はExpressが廃止されてCommunityという形で継続していますが、残念ながら会社でちょっと使うという用途は難しくなってしまいました。

現状はまだExpressが利用できますのでそちらを使うのが最良だと思いますが、いつまでも使えるわけではないでしょう。PCのOSもWindows一択ではなくなってきていますので今後面白い開発環境の出現を期待したいです。