全固体電池の注目企業 FDKとTDK

2022年7月15日

こんにちは!

以前に全個体電池の注目企業でトヨタのことを書きました。全固体電池についてトヨタ以外にも注目企業があるか探して見ました。

実際のところ、全固体電池についてはトヨタが大きすぎて他の企業がなかなか見つけられませんね。国内のテーマではトヨタが一択です。

株関係のサイトで全固体電池テーマ関連の企業を検索してくるといくつか候補が出てきますが、どのくらい全固体電池に関連しているかを調べてみました。

  • 三桜工業 2018年9月に全固体電池のSolid Powerに出資すると公表
  • オハラ  2016年8月に低温環境での全固体電池の開発を公表
  • 日立造船 2016年2月に高耐久性全固体電池を開発と公表
  • 日本ガイシ 2018年6月のIR情報に「全固体電池などのテーマに取り組み・・・」と書いてある

どれだけ全固体電池について研究を勧めているのか怪しいところがほとんどです。ま、極秘に開発をして最後にドーンと発表するといわれれば、そうなのかもしれませんけど。

調べていくと、そのような銘柄のなかでもいくつか本当に全固体電池関連が見つかりました。それがFDKとTDKです。(名前が似ていますが別の企業です)

1 FDKとは

FDKは富士電機化学株式会社のイニシャルに由来しています。現在は富士通の電池を主に製造しています。

この会社、歴史がものすごく長くて1950年に現在の会社の元となる東京電気化学工業が設立され、その時から乾電池を作っています。ずっと乾電池か。すごいなー。

今でも主力は乾電池です。面白いのはトナー作っていますね。電池の製造プロセスでトナーの原料が共有できたりするんでしょうか。FA関連が兼用できるのかな。

このように電池専門のFDKさんですが、すでに2018年12月から全固体電池のサンプルを出荷しています。

世界最高水準(*1)の高電圧 超小型全固体電池のサンプル出荷開始
~ 高電圧(3.0V)、高エネルギー密度を酸化物系SMDタイプで実現 ~

引用元:FDK

ババーン。 ちっさ。

この全固体電池は自動車などの交通機関向けではなくてIoTデバイスなどの小型装置に搭載する用途で開発されています。2次電池を基板に直接実装することで小型化や無電源化に貢献できるかなと。

この全固体電池はどんな特性かというと

  • 電圧 3V 
  • 容量 140μAh
  • 使用可能温度 -20℃~105℃
  • もちろん不燃性

あー。やはり使用可能温度が高いですね。全固体電池はこれが売り。また電圧3Vは今までになかったのかな?3VのICが直接動かせますので設計の選択肢が広がります。

まあ、しかし、結局は基板実装部品ですから、自動車用として開発しているものとはちょっと違いますよね。自動車のバッテリーは20kWhとかありますので、サイズ的に1億倍以上のひらきがありますよ。1億個つなげるわけにもいかないだろうし。

頑張ってください。

2 TDKとは

TDKの方が一般には有名かもしれませんね。TDKは東京電気化学工業のイニシャルに由来します。主に電子部品や電池などを製造しています。

創立は1935年です。でもFDKもいい勝負ですね。電池企業は歴史が必要なんでしょうか。

実は全固体電池の出荷に関してはFDKよりもTDKの方が早いです。世界初の充放電可能なオールセラミックス全固体電池を2017年11月にリリースしています

全固体電池: CeraCharge™-世界初の充放電可能なSMDタイプのオールセラミック固体電池

引用元:TDK

これです。

写真は大きいですが、FDKよりちょっと大きい4.5 x 3.2 x 1.1 mmです。こちらも実装部品です。やはり現時点では全固体電池はこのくらいのサイズまでしか実現しないということですね。

この電池の特徴は

  • 電圧 1.4 V
  • 容量 100μAh
  • 使用可能温度 -20℃~80℃

とFDKよりも数値が劣っていますが、1年以上の先行発表だったので仕方ないでしょうか。でも車載用のバッテリーに比べると、どちらも同じようなものです。

今のところどちらが優位ということはありませんね。

まとめ

夢の電池、全固体電池ですが、すでに実現しています。しかし、車を動かすほどの大きな電力を得るまでにはもう少し時間がかかりそうです。

私は、他の企業に比べると、この2社が車載用全固体電池には一番近い位置にいるのかなと思うのですが、これを読まれている方はどうでしょうか。

今後も全固体電池の動向を見守りますので動きがったらお知らせしたいです。