全固体電池の注目企業 日立造船
先日書いた全固体電池の記事の中に日立造船のことを書きました。
記事の中では「2016年に全固体電池の高耐久の全固体電池開発の公表を行っただけで開発続いているかわからない」と書きました。そのもとになっている記事がこれです。
耐久性と安全性を向上させた全固体リチウムイオン二次電池を開発~低温から高温まで動作可能かつ長寿命~
引用元:日立造船株式会社
2016年2月から全固体電池についての発表が全くされていなかったので、本当に全固体電池の開発しているの?と思っていたら平成31年3月12日付の日経電子版にしっかり載っていました。
日立造船、全固体電池を量産化 新エネルギー分野で「第三の創業」
引用元:日立造船株式会社
失礼しました!第三の創業までしていましたか。いつの間にか全固体電池のページもできてるし。
お詫びも兼ねて日立造船の全固体電池について調べてみましたので紹介します。
全固体電池の注目企業 日立造船とは?
日立造船は1881年に大阪で創業されています。もうすぐ140年ですか。すごい由緒ある会社ですねー。
「日立造船」という名前ですが、まず「日立」について。かつて日立造船は日立グループの一員でしたが、太平洋戦後の財閥解体(古い!)により日立グループを外れています。しかし、その時代から日立が大株主の上位にいるため、日立の名前を掲げ続けています。
つまり、日立の名前は使っていますが、現在は日立とはほぼ関係の無い企業と考えて良いです。
次に「造船」ですが、創業当初から造船業を主要な事業としてきましたが、2002年のJFEエンジニアリングとの合併の際に両者の造船部門を切り離し、別会社を設立したため、現在は造船業は行っていません。現在の主要な事業は機械・プラントの製造です。
つまり日立造船は現在は日立でも造船でも無いという、けっこう突っ込みどころのある企業です。
日立造船の全固体電池
私が日立造船の全固体電池について調べたときは耐久性と安全性を向上した製品を”開発”となっていましたが、今回の発表では”量産”を開始するとのことです。
量産を開始する全固体電池ですが、同社が持つプレスの技術を用いて固体材料の整形に強みをもたせているようです。JAXA、ホンダと共同研究しているようなので電気自動車への採用は視野に入っているでしょうね。
どのくらいの容量なのか知りたいですが、うーん、書いていないですね。大きさから言えば1Ahくらいはあるのかな〜。それだと2万枚くらい必要そうですね。
重量は大丈夫そうですが、コストが気になります。1枚千円でも2万枚で2千万円になってしまうから、相当容量を大きく作るか、コストを安くするか、課題ですね。
日立造船はプラント製造が主な事業なので、量産設備を持っていません。今回の発表は量産でしたが、もっと大規模量産を開始する場合は他社にライセンス供与して量産をお願いする必要があるようです。ホンダがやるんですかね。
まとめ
日立造船について全固体電池銘柄としてはスルーしていましたが、調べてみると有望の企業のようです。何故か全固体電池界隈が盛り上がってきているので引き続き動向を見守りたいです。