5Gだけじゃない村田製作所の全固体電池技術

2022年7月15日

以前に5Gの本命企業として村田製作所を紹介しましたが、村田製作所の技術は全固体電池界隈でもトヨタについで業界2位です。すごいな村田製作。

村田製作所の電池事業

村田製作所は2017年の下期にソニーから電池事業を買い取っています。こちらの事業は2,3年後に黒字化ということです。

しかし、村田製作所はこれで電池のノウハウを手に入れたということで全固体電池の開発も進めている?ような感じです。

村田製作所の主力はスマホなどの精密機器向けのセラミックコンデンサですが、世界シェアの4割を持っています。このセラミックコンデンサは1台のスマホに400〜800個使われています。

実はセラミックコンデンサも電池もどちらも電気(電荷)をためておく効果があります。電池の方が大量に電気をためておけますが、瞬間的な充放電は苦手です。セラミックコンデンサは大容量の充電はできませんが、瞬間的な充放電に長けています。

今はこの両方の製品の間を埋める電気二重層キャパシタと呼ばれる商品が発売されています。実は村田製作所はこの製品もスーパーキャパシタという名前で発売しています。(シェアがわかりませんでしたが、多分電気二重層キャパシタに関しても高シェアのはず)

現在村田は小型小容量のから大型大容量の電池まですべてをカバーしている企業です。

CEATEC出展

村田がCEATECに出展したのは「全固体薄膜電池」という厚さが0.05mmのリチウムイオン電池です。15×15×0.05mmの電池に、50μAhの容量があります。50μAhとはまた小さな容量ですが、厚さを考えればしょうがないでしょう。

村田製作所の全固体電池の今後の動向

村田製作所は全固体電池の研究を続けているようですが、実は電気自動車用の全固体電池の参入には消極的です。理由は世界的な電気自動車の動向が決まらないからです。

この点については私も電気自動車がガソリン車に入れ替わるかどうかはかなり疑問を持っています。なぜなら電気自動車は何かしらのエネルギー源によって電池に充電をしなければいけませんが、化石燃料による発電も原子力発電もすべての自動車の電源を賄うほどの大きさがありません。

村田製作所は「電気自動車の動向が決まってからでも参入は遅くない」と言っています。トヨタと違って自動車を売っていないし、主力のセラミックコンデンサが今後5Gで大盛り上がりするため、企業としては焦る必要は無いってことです。

だからなのか、村田製作所の全固体電池に関する情報があまり手に入りませんでした。一部にはTDKのセラチャージよりもエネルギー密度が高いと言われているので、注目したいんですが、なんせ検索しても何もわからない。

まとめー最強電池メーカーになりつつあるが、全固体電池に対しては様子見

村田製作所は電池分野に対して数通りのソリューションを持っています。これだけ上から下まで製品を持っている企業は他には無いです。

5Gで高騰すると予想していましたが、全固体電池分野でも存在感があり、村田製作所の実力の高さに驚きました。