5G通信の注目企業 村田製作所

2022年7月15日

2019年の経済キーワードの筆頭が「5G」です。5Gについては以下の記事を読んでください。

注目の次世代モバイル規格「5G」通信

5Gとは 2020年の実用化を目前に話題になっている次世代の通信規格です。5Gでは通信速度が向上し、人々の暮らしを一変させる可能性を持っています。

5Gの最強企業 村田製作所

この5Gですが、実は 周波数も規格も異なるため対応するスマホ用電子部品は4G・LTE用を流用できず、新規に開発が必要になります。スマホ用部品には「チップ積層セラミックコンデンサ」「インダクタ」 「表面波(SAW)フィルタ」「デュプレクサ」「セラミック発振子」「EMI除去フィルタ」「無線LANモジュール」「ブルートゥースモジュール」などの電子部品が上げられますが、これらの高周波向けの電子部品の市場は日本メーカーの独壇場となっています。

1位2位3位
チップ積層コンデンサ村田製作所サムソン太陽誘電
表面波(SAW)フィルタ村田製作所 クアルコム
デュプレクサ村田製作所 アバゴテクノロジー
セラミック発振子村田製作所
EMI除去フィルタ村田製作所 TDK太陽誘電
無線LANモジュール村田製作所 USITDK
ブルートゥースモジュール 村田製作所 アルプス電気
インダクタTDK村田製作所

上記のシェアの表を見ていただければ分かりますが、その中でも村田製作所は、チップ積層セラミックコンデンサ、SAWフィルタ、デュプレクサ、セラミック発振子などの電子部品でトップシェアを持っています。中でもチップ積層セラミックコンデンサは各種の電子機器の部品全体に多用されています。また、SAWフィルタ、デュプレクサ、セラミック発振子、EMI除去フィルタなどの通信系電子部品はスマートフォンを初めとした通信機器に使われています。

村田製作所が2018年11月に発表した2018年3月期はの営業利益は19.4%の減益でしたが、これは樹脂多層基板「メトロサーク」の赤字に北米高級スマホ向け(iPhone向けと思われる)「MLCC (チップ積層セラミックコンデンサ) 」の不振が重なったためです。ただし、メトロサークは製品化直後で生産性問題があり、今期2019年3月期は黒字転換の予定です。高級スマホ向け部品の需要が戻れば、今期は48.0%営業増益になる見通しです。

このメトロサークとMLCCが村田製作所の5G時代の金の卵です。それぞれについてどのような長所があるのかを説明します。

MLCC

村田製作所はMLCC(チップ積層セラミックコンデンサ)メーカーとして5Gの恩恵を最も受ける銘柄になると予想されています。MLCCは通信基地局向けに500V定格の高周波用低損失積層セラミックコンデンサの需要が大きく伸びています。また、移動体通信、WiMAX、LTE基地局の高周波モジュール等において機器の高周波特性の改善効果があり需要が期待できます。

5G対応基地局の世界市場は2023年に、2019年比約38倍の4兆1880億円に達します。 自動車用MLCCの需要も加速している中で  MLCCの需給逼迫は 2020年代になっても解消されない可能性があります。

村田製作所は、2019年3月期1QにMLCCの全品種、全顧客向けの値上げを打診しています。一律値上げではなく、顧客ごとに値上げ交渉を行っている とされていますが、仮に5%の値上げとした場合、約 300億円の営業利益増加になります。

MLCCの値上げは、村田製作所のみならず  太陽誘電、TDKにとっても かなりの恩恵になります。先行して値上げを行なった太陽誘電の2019年3月期第3四半期の決算説明ではMLCC等の値上げにより24億円の増益となりました。

メトロサーク

また、今後は村田製作所が5G時代を見据えて開発してきた樹脂多層基板「メトロサーク」も売上げに大きく貢献します。

メトロサークの売上げは、同社の利益の29.7%を占める通信モジュール分野の稼ぎ頭であり、村田製作所の看板商品として今後の5G時代において益々大きな存在になっていきます。21年にはメトロサーク 売上げを1000億円まで拡大させる計画です。

5Gでは、通信に周波数の高い電波を使用するため、通信機器の高周波対策も必要です。LPC(液晶ポリマー)基盤であるメトロサークは、高速・大容量通信である5G通信の高周波信号用基板として用いられ、今後普及する4K/8K映像の超高解像度動画による大量のデータ転送のキーデバイスです。

村田製作所ではLCP原材料用フィルムから内製化しており、 製造工程におけるフィルムの銅張積層板の能力増強を行い、増産を予定しています。 生産子会社の伊勢村田製作所(三重県津市)に40億円を投じて2019年4月から増産を開始します。

このほかにも、5G時代に需要が高まると予想される部品の多くは村田製作所がトップシェア維持しています。村田製作所においては3カ年の新中期経営計画として 2021年度に売上高2兆円を目指すとされており 、今季決算発表後、株価は上場来高値に向かって上昇し続けています。

まとめ:5G時代に1番伸びるのは村田製作所

2019年頭から世界の経済情勢は米中の貿易戦争により陰りを見せていますが、5G特需は普及が予想される2020年から前倒して2019年に始まると予想されています。村田製作所は5G時代での活躍が期待される筆頭銘柄でしょう。

「村田を応援したい!」「村田で儲けたい!」と思った方は今から村田株をしこんでおくのはどうでしょうか。(私はしこんであります)