電圧を計測して記録する簡単な方法

2020年7月31日

電圧測定はセンサーの基本です。なぜなら世の中には電圧に変換されて表示される計測器がけっこう多いからです。

例えば、熱電対温度計は2つの異種金属を張り付けた熱電対に発生する熱起電力(ようするに電圧)を測ることで間接的に温度を測っています。

この測定器で温度の変動を記録したい場合は、電圧の変動を記録すればよいのですが、長時間にわたって電圧を記録するのは専用の機材が必要だったり、なかなか難しいものです。

という訳でこの記事では簡単に電圧を記録するにはどうやったらいいかを検討してみました。

デジタルマルチメータ

一番普及している電圧計はデジタルマルチメータ(DMM)やデジタルテスターなどです。DMMは電気を測ることに特化した装置なので、そこそこのDMMを持っていれば長期間のログを取る機能も付いています。

例えばKeysight社のDMM「34470A」は測定値をCSV形式でUSBメモリー内に保存することができます。

USBメモリーに記録する機能は比較的新しいDMMのみに搭載されていますが、古いDMMでもGPIBやRS-232Cなどのインターフェースからデータを送り続けることができます。

デジタルテスターの場合は専用の接続ケーブルなどを追加で購入するとPCによる記録が可能になるものが多いです。

以前にRS-232C接続によりPCにデータを表示し続ける方法について紹介した記事がありますので参考にしてください。

この他にもDMMの利点は、測定レンジ、測定さんプリリングレートなどを自由に設定できる点です。また直流電圧でも交流電圧でも同じように記録することができます。

データロガー

DMMは測定を目標とした装置でしたが、データロガーは記録を目的にした装置です。ですので、DMMのように測定機能は多くありませんが、長時間記録や同時多チャンネル記録などができます。またDMMに比べてちょっとお安いような気がします。

日置電機のデータロガーでしたら5万円くらいで50万データを記録できるものがあります。

グラフテックもお値段がちょっと上がりますが、データロガーでは有名なメーカーです。

Arduinoを使う

ここまで紹介した装置はコンセントにつないで単品で使用する計測器でしたが、ワンボードマイコンのArduinoを電圧測定に使うこともできます。

Arduinoは安いものでは1000円以下で手に入ります。また入手性もいいのでAmazonかおうちが秋葉原に近ければ秋葉原の電子部品店でも手に入ります。

Arduinoで電圧を測る場合はADコンバータ機能を使います。ArduinoのADコンバータは8ビット、つまり1/256分解能なのであまり高精度な測定はできませんが、てっとり早く済ませたい時はいい選択です。

Arduinoに記録した電圧値はUSBケーブルを使ったシリアル通信でPCに保存できます。USBのバスパワーを使いますので電源を準備しなくてもいいのはメリットです。

技術的な内容は少し前にこのブログでプログラミング方法を取り上げましたのでそちらを見てください。

ArduinoのADコンバータは上限5Vなので、5V以上の電圧は測れません。しかし、下の図のように入力電圧を抵抗分圧することでどんな高い電圧でも測ることができます。

図の抵抗の組み合わせで最大1000Vまで電圧を計れます。(Arduinoの入力インピーダンスは100MΩなのでこの程度の抵抗がいいでしょう)

ただし分解能が1/256なので、4V単位よりも細かい測定ができません。かなり粗い測定ですね。電圧測定専用のICを追加すれば24ビットくらいまで測れるのですが、本記事の趣旨と違うのでここでは説明しないでおきます。

Arduinoの測定ではもう一つ弱点があります。Arduinoが直接測れるのは直流だけで交流を測るには入力電圧を整流しないといけません。

Arduinoで交流を測る方法はまた違う記事で詳しく紹介します。

まとめ

この記事では電気計測の基本の電圧計測について取り上げてみました。電圧を測る方法はいくつかありますが、ここでは次の4つを紹介しました。

  • デジタルマルチメータで測る
  • データロガーで測る
  • Arduinoで測る

電圧計測は本当に最初の一歩です。しかし、最近一番基礎的な記事ほど読まれる傾向があるのであえてまとめてみました。その他にも電圧を測る方法はいくつもあると思いますが、解説を聞きたい人はぜひ質問欄に書き込んでください。