耐電圧試験機とは?おすすめ機種、使い方、校正の方法などを紹介

2019年10月20日

皆さんは感電したことはありますか?私は電気をはかる仕事をしていますが、コンセントの中の100Vを触ってしまって、ビリっと感電したことがあります。

普通はコンセントの中の100Vを触ることは無いですが、ズサンな設計をされた電気製品などは本体の一部を触っただけで同じような感電をする可能性があります。下手をすると命の危険があります。

大昔は感電事故がよくあったようですが、今は電気用品安全法により電気用品の強い絶縁耐力が求められていますので、まあまあ家電を触って感電することはなくなりました。

そこで今回はこの電気用品の絶縁耐力を試験する際に使う「耐電圧試験機」について、おすすめ機種、使い方、校正の方法などを説明したいと思います。

耐電圧試験機とは

耐電圧試験機とはどのような機器か?簡単に書くと家電に高電圧をかけて感電しないかを確認する装置です。

電気用品安全法に指定された種類の機器は使用者が感電しないように(+火災が発生しないように)絶縁部分が高電圧に耐えられるかの検査を実施しなければなりません。

この検査に不合格の場合、のちのち老朽化などによってその部分に電気の通り道ができ、人間が触る場所とコンセントの100Vがつながる可能性があります。その部分を人間が触ると感電してしまいます。

耐電圧試験機はこの絶縁耐力試験の際に使用される検査装置です。

家電の生産に携わっているのに電気用品安全法ってなに?と思った方、大丈夫ですか?電気用品安全法と指定されている用品の種類は次のリンクから確認できます。ぜひ自分の現場が関係するかどうか確認してください。

おすすめ機種

令和元年ではたくさんの種類の耐電圧試験機が販売されています。その中でも1番メジャーなメーカーは菊水電子でしょう。10kV、6kV、2.5kVモデル、直流交流可能、耐電圧・絶縁抵抗試験機などいろいろな種類があります。

私は日置電機が意外と使いやすかったです。使いやすいんですが、専用プラグの断面がH型になっていて菊水と互換性がありません。HIOKIのHなのかもしれないけど、菊水と互換にしてほしかった。

日置のホームページは技術情報が充実しています。

耐電圧試験機の使い方

耐電圧試験機は非常に高い電圧を出力できます。使用に際してはメーカーの説明書を参考に使用してください。この記事では一般的な耐電圧試験機の使用方法について説明します。

耐電圧試験機には次の設定項目があります。

  • 出力電圧
  • 遮断電流
  • 試験時間

出力電圧は機種によってスタート後にダイアルで手動調整するタイプとスタート前にボタンで設定するタイプがあります。

遮断電流は規格や製品仕様を参考に合格と不合格の境界値に設定します。合否とか必要なくても、安全装置の役割もありますので予想最大のちょっと上くらいに設定しておきましょう。

試験時間は一部の規格試験で必要になります。試験を受けるものの種類により、試験手順はまちまちですので事前にJIS規格を確認する必要があります。不要であれば機能をOFFにしておきます。

結線をしてスタートボタンを押すと電圧出力可能になります。手動の場合はダイヤルで、設定されている場合は自動的に電圧が上がります。試験終了後はストップボタンを押して電圧出力を停止します。

機種によっては設定を変えたあとストップを押す必要があるものや、スタート直前にストップボタンを押さないといけないものとか、操作ミスの対策がされています。

耐電圧試験機の校正方法

耐電圧試験機の校正では2つの点を校正します。1つ目は出力電圧と、2つ目は遮断電流です。機器を使われている電圧で校正するのが鉄則ですが、特に指定がなければ次のような数値で校正するのが一般的です。

出力電圧校正
レンジ   設定値   測定値    校正値
(kV)  (kV)  (kV)   (kV)
  3   3.0
      2.5
      2.0
      1.5
      1.0
      0.5

遮断電流校正
レンジ   測定値    校正値
(mA)  (mA)   (mA)
10
5
2
1
0.5

校正が必要な台数が1、2台であれば最寄りの校正機関に校正を依頼しましょう。電気計器を扱う校正機関であれば耐電圧試験器は校正できると思います。だいたい2週間くらいは機関に預けることになります。

台数が多くなると自局校正が有効です。発送の手間や校正中の代替機器などのことを考えると自局校正も良い選択肢です。自局校正に用いる標準器は、菊水電子が専用の測定器を販売しています。

出力電圧校正は高電圧デジタルボルトメータ、遮断電流校正には電流校正器を用います。

まとめ

この記事では耐電圧試験機の役割や使用、校正の方法を紹介しました。

耐圧試験機についてまとめると、電気用品安全法に記載されている家電の最終検査に用いられる試験装置です。ユーザーの感電事故を防ぐために絶縁耐力を試験するもので、法の要求もあり、安全な運用や定期的な校正試験が求められます。

電気機器の安全性試験がおろそかになると企業の致命傷になりかねないので(使用者の致命傷にもなりますが)手を抜くことのできない分野です。