ISO/IEC 17025 (JCSS) 品質マニュアル 8章「マネジメントシステムに関する要求事項」について

2019年11月14日

これまでISO/IEC 17025の品質マニュアルの作り方について規格書の7章までを解説をしてきました。規格書8章からはISO 9001と重複する部分になりますのでやらなくていいかなと思っていたんですが、そういえば選択肢AとかBとかあまり説明がないなと思ったので記事にすることにします。

選択肢AとB?

ISO/IEC 17025の登録を受ける校正事業者は、この規格の要求する品質マネジメントシステムを構築し維持していかなければなりません(8.1.1)。品質マネジメントシステムとは、校正サービスの品質を管理・監督するシステムであり、品質管理を中心とした組織の活動で、顧客満足を達成し継続的な改善を意図するものです(Wikipedia)

この概念はISO 9001でも取り入れられており、以前の規格では、すでにISO 9001を運用する企業にとって9001用の品質マネージメントシステムと17025用の品質マネージメントシステムを別々に運用しなければならず、ISO効率化の足かせになっていました。

ISO/IEC 17025が2017年に改定したのをきっかけに9001と重複する部分は規格書の8章に集められ、すでに9001を運用する企業は選択肢Bを選ぶことによって品質マネージメントシステムを2重に運用する必要がなくなりました。

この選択肢の宣言は審査申請書類の添付書類8に書いて申請時に提出します。私はボケっとしていて2005のフォーマットのまま提出してしまい、NITEから「選択肢Aですよね。」と確認のご連絡をいただいてしまいました。皆さんも気を付けて下さい。

選択肢B

選択肢Bを宣言できる事業所はISO 9001を取得している必要があります。9001についてあまり詳しくないのですが、17025の対象となっている事業者がすべて9001に含まれないと宣言は難しいでしょう。また管理者主体が17025と9001と同じでないと、ダメかもしれない・・・。

(これについては自信ないですが、マネジメントシステムにマネージメントレビューが含まれるので管理主体が9001と17025で異なると17025についてのレビューが行われないのでダメだと思います)

選択肢A

私のようなISO 9001を取得していない組織の場合は選択肢Aを宣言します。選択肢Aでは以下の点について規格の要求を満たす必要があります。(8.1.2)

  • マネジメントシステムの文書化
  • 文書の管理
  • 記録の管理
  • リスク・機会に取り組むための処置
  • 改善
  • 是正
  • 内部監視
  • マネージメントレビュー

文書化と文書の管理、記録の管理は文書管理という規則を1つ作って運用するとやりやすいです。同じようにリスク・機会、改善、是正も1つの規則にできます。

内部監査とマネージメントレビューは記録が定期的にできるので、それぞれ1つの規則にしても良いと思いますが、私はしていません。

文書管理

2017年版の文書管理はだいぶ簡単になりました。当たり前のことしか書いていないのですが、要点だけ書くと(1)「継続的改善をする!」という文面を作る(8.2.3)。(2)17025に関わる全ての文書についての管理方法を決めておく(8.2.4)。(3)全要員が必要な情報にアクセスできる(8.2.5)。

事前に必要なのは(1)だけかなという感じです。(2)は法律を引用したり、社内規則を引用したり、常識の範囲で問題ないと思います。(3)も、パスワードの権限漏れとかになっていなければ大丈夫でしょう。

是正

是正については「リスクとチャンス」、「改善」、「是正」のそれぞれのフローチャートを作るのが管理しやすいです。あと、ここに含めるといいのが「苦情」です。苦情もフローを作っておくと管理しやすいです。

もちろんですが、フローチャートの中には規格書で決められた判断事項や権限者などを明記しておくことが大事です。

内部監査

内部監査はISO/IEC 17025:2005の時は監査用チェックリストがNITEからダウンロードできましたのでこれに沿って進めれば問題ありませんでした。しかし2017になってからは同様のチェックリストが作成されていません。2005用もNITEのサイトからダウンロードできなくなりました。

私のところでは2005用のチェックリストから作った2017用チェックリストを使っています。多分、2017は事業者の自由度が拡大されたそうなので、1項目ずつのチェックリストでは対応が難しくなったんだと思います。(とNITEが判断したのだと思う)

これについては検討中ですので、良い方法が見つかったらまた紹介したいと思います。

マネージメントレビュー

マネージメントレビューは規格中に扱わなければならないトピックが19個もずらっと羅列してあります。(8.9.2、8.9.3)数が多いので大変そうと感じるかもしれませんが、こういう書き並べてあるやつは逆にやりやすいです。

マネジメントレビューは事前に計画書を作っておきます。これには19個のやることをずらっと書いておきます。これに関連付けてマネージメントと相談したいことを追記しておきます。

私は前回のマネージメントレビューでは今年はJCSSの更新審査があるよ。とか、設備の一部が更新になるのでトレーサビリティが変わるよ。とかを話ました。雑談みたいな感じでしたけどね。

実施後に計画書を議事録にしてマネージメントに印をもらって保存しておけばOKです。

まとめ

この記事ではISO/IEC 17025 8章のマネージメントシステムについて説明しました。8章では、文書管理、是正、内部監査、マネージメントレビューなどがありますが、ほぼISO 9001と同様の規定になっています。9001を経験した人にとってはお馴染みの内容のはずです。

ISO/IEC 17025:2017は8.9.3章で終わりです。長々と書きましたが、とりあえずゴールすることができました。読んでいただいた皆さんありがとうございました。

今見返すと、?なところもあるのでちょいちょい直していければと思います。時間があれば一冊にまとめた本とかにできれば良いですねー。需要があれば頑張ります。